『あ、あの』 声を絞るように出す。 『どちら様ですか?』 ……質問の仕方が悪かったのだろうか。 男の子は体を震わせて笑った。 『お前だごうける! 俺の名前は宮川悠磨。 お前の隣の家だけん。 よろしくな!』 方言が入った自己紹介は聞き取れないとこが一ヶ所。 聞こうと思ったが、まずは私も自己紹介を。 『私は宮本彩芽。 悠磨君、よろしくね』 ……これが君との出会いだった。