―夏休み最後の日 『彩芽ー!』 縁側がついている部屋は私の部屋になり、今日も悠磨が私を迎えに来る。 『海行くぞ、海!』 その言葉に私はポカーンと口を開けた。 『…海、あるの?』 見渡す限り山しかないこの場所に、潮の香りなんてしたことがない。 『ばーか。バスで行くんだよ』 あ、なるほどね。 .