解けない方程式なんて作らないで（仮）

「あのさ…」


遊美が口を開いた。


『ん?どした?』


「夏入ったら一旦親帰ってくるんだってさ」


へー…って何でそんな寂しい顔してんだぁ?


「でも1週間したらまた行くってさ。」


『そっか…』


1週間って短いよな。


「でもね、Meは会いたくないんだ」


『なんで?』


久しぶりに会えるんぢゃないのか?


「会いたくない…嫌い」


嫌い?


まぁよくある話だけど…なんで泣きそうなんだよ。


『なんかあったのか?』


絶対理由があるハズ。


「ってかね、多分あっちもMeになんか会いたくないと思うんだ」


どうしたんだ?


『何でそう思うんだ?』


「先生にはどうでもいいかもだけどいい?」


『遠慮しないで話したいだけ話せ』


聞いててやるよ


「あのね、小さいときはよく家族で出かけてたん。でもそれが一遍したんだ。小4ぐらいのときにね自分の中で何かが切れたんだ。現在になっては何かなんて覚えてないんやけど、学年が上がるにつれて帰るのも遅くなって、それのせいかはわからへんけど見放されてた。楽でよかったんけど、会話も必要最低限になってた。多分親はMeとなんかと話したくないんや、って決め付けてたんかな?…ってもう話すの疲れた」


こいつ一気に話したけど多分心の中ぢゃ辛いんだと思う。



『大丈夫か?』


「…うん、でも同情は求めてないよ。でも、親に会わずに先生といたい。ダメ?」


俺といたいって…さすがの俺でもすっごく意味が気になるんだけど。


『ダメなわけはない。好きなだけいろ』


「先生・・・ヒック（泣）」


『遊美…泣きたいときには思いっきり泣いといた方がいーんだぞ』


ほんとに泣くと女子なんだけどな。


いや、かわいいとこもあるよなって…


でも最近なんで俺はコイツのことばっかり考えるようになったんだ?


たしかに一緒に住んでるからってやっぱあると思うけど…


まさか…