いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・

「楓花ちゃん!!」


20分くらい経って、
桝田さんが走ってやって来た。


こんな風に桝田さんを待ったことはない、
いつもと違った光景がなんだか新鮮だった。


走ってくる私が好きって言ってた桝田さん、
その気持ちがなんだかわかった気がする。
誰かの為に一生懸命走って来る姿、
それが何よりも自分との関係を
表しているようで嬉しい。


「ハァハァ・・・ ごめん、
遅くなって、ハァハァ・・・」


私のそばに駆け寄って来て息を切らす桝田さん。


全然遅くない、むしろ早いくらいだ。


どんなだけ全力で走ったんだろう?

そう思うと私の心は少し満たされた。


「いえ、私がごめんなさい。
こんな時間に・・・」


「いや、それはええねん。
で、どうしたん? ハァハァ・・・」


「・・・・・」


桝田の問いに楓花は俯いた。