いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・

「もぉ~ダメですよぉ~
そんなセコしたらぁ~・・・」


私はそう言って笑いながら、桝田さんの腕を叩く。


「ごめん、ごめん。
じゃあ楓花ちゃんの勝ち!!」


桝田さんはそう言って笑った。


桝田さんは初めから私に勝つ気なんてなかった、
そんなことは見ていればすぐにわかる。
初めから私に映画を選ばしてくれるつもりだったんだ。
ただ元気のない私を少しで励まそうと
こんなことしてくれたんだ。



まわりから見ればどこにでもいる仲のいいカップル、
きっとそう見えていたに違いない。


桝田は楓花を元気づけると同時に、
楓花とコミュニケーションを取りたかった。

もっと楓花と触れ合いたかったんだ。