「お兄ちゃんの・・・子・・・?」


奈緒子は小さく頷いた。


「うそ・・・」


あの子が・・・お兄ちゃんの子供・・・


楓花は勝彦と話す男の子を見つめた。


うそだ・・・そんなはずはない・・・

何かの間違いだ。


「冗談はやめてくださいよ・・・
何言ってるんですか?」


しかし私を見つめる奈緒子さんの目は、
本当だと言わんばかりに真剣な眼差しだ。


本当・・・なの・・・?


「じゃあ何故、今まで黙ってたんですか・・・?
何故、お兄ちゃんに言わなかったんですか?」