いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・

「こらっ将生、走っちゃだめって
言ってるでしょ。」


「へへっ。」


男の子は甘えるように女性の肩に顔を埋める。


すると、女性は俺に気付いたのか顔を上げ、

「すいませ・・・あっ!?」

と、謝りかけて言葉を詰まらせた。


「奈緒子・・・?」


「雄志・・・」


その女性は紛れもない奈緒子本人だった。


奈緒子・・・?


今、お母さんって・・・


「・・・・・」


俺は奈緒子を前に言葉が出なかった。