いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・

美味しい・・・


あたたかいコーヒーが体の中に沁みて行く。


奈緒子の入れたコーヒー・・・

あの時と同じ、奈緒子の味・・・


いつもそばで支えてくれた奈緒子、
いつも俺の味方でいてくれた奈緒子、
あの時のことがコーヒーの味と共に甦って来る。


俺は胸を締めつけられるような感情が
込み上げて来て目頭が熱くなった。


や、やばい。泣いてしまいそうだ・・・


「雄志?」


心配そうな目で奈緒子が見ている。


「お、美味しい!!
やっぱり奈緒子のコーヒーは美味しいなぁ。」


俺はぐっと涙を堪えて笑った。