いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・

「ここやで。」


「ここ?」


車を止めフロントガラスから建物を覗くと、
築30年くらいの経とうかという小さなアパートだった。


前の家よりだいぶ古い感じやな・・・

一人暮らしやったもうちょっと
ええところに住めるやろうに・・・

奈緒子も生活が大変なんかな?


「古いでしょ?」


「えっ? ああ・・・前よりはな。」


「うん、でも今はこのくらいがちょうどいいの。」


「そうか。」


雄志はニコッと微笑んだ。


「そうだ、お茶でも飲んで行く?」


「えっ!?」


俺は一瞬、言葉に詰まった。