いつかはお兄ちゃんと、バージンロードを歩きたくて・・・

「ただいま・・・」


私は小さな声で父に言った。


しかし父はこっちを見ることなく
視線は机の上の紙切れを見たまま。
私はそのまま家へと入った。
いつも机に向かって何をしてるんだろう?
お兄ちゃんが一生懸命働いてるのに。 
私はそんな父の姿が腹立たしくてならない。


お兄ちゃんは給料も貰えずに働かされて、
夜のバイトの分もいくらか父に使われている。
父が作った会社の借金のために・・・


そのためほしい物だって買えない。
友達とも遊べないし、彼女だって・・・
こんなに働いてるのに何一つ普通な幸せが手に入らない。


きっとこんな人生に悔しいはずだ。


きっと大声で叫びたいはずなのに、
泣きたいはずなのに、
ぐっと堪えて笑顔を見せている。


お兄ちゃん、そんな頑張らないで。

我慢しないでほしいよ・・・