「優樹!!笑ってよねッ!!次の仕事
に遅れちゃうじゃん」
「笑えないから」
つか、笑う要素がない。
「MIKAちゃ〜ん。緊張してる
みたいだからリードしてあげて?
」
「は〜い(^3^)/」
俺とMIKAの会話は
聞こえていないらしく、
カメラマンさんにそう言われた。
「だってさ〜。じゃ、そろそろ本
気出しますか。時間もヤバいしね
」
「え…本気って、MI…」
言い終わる前に、
MIKAは俺の前に立った。
………………今までとは、
全然違うオーラがMIKAから
出ていて。
俺は思わず、息を飲んだ。
…………そこにいるのは、
俺が今日知った、
MIKAじゃなくて。
テレビ画面上の、
“MIKA”だった。