「もしもし?……何?」
『え、なんで不機嫌なわけ!?』
―――電話は、翼からだった。
「まじくそタイミングワリィんだ
けど。ジャマすんなよな!!(怒)」
『ワリィ。1回切った方がいい?』
「あ〜…。ちょっと待って」
俺は通話口を抑えて、
希未に言った。
「ちゃんと、説明するから。この
あともまだ、なんか予定ある?」
「あと2つ……」
希未は遠慮して、
小さい声で答えてくれた。
「まじ!?もうこんな時間なのに、
あと2つも残ってんの!?ワケがワ
ケだし、出来ることなら直接会っ
て話し、したいんだけど…。なん
か微妙に、誤解も生まれてそうだ
し……」
―――まさか…俺の声だけ、
電話越しの翼に聞こえてるとは…
思ってもいなかった―…。

