「では、そういうことで。わざわざありがとうございました」 今日は日曜日。 俺は、出版社に来ていた。 再来月に発売する新刊の 打ち合わせのために。 「じゃあ…完成次第、また来ますね。黒瀬さん」 「はい。無理はしないでくださいね?」 「はい」 そんなやりとりをして、 部屋から出たときだった。