「俺にだって、弱味くらいあるっつーの」

ボソッとそう、つぶやいた。

つーか俺、何者扱いだよ。コラ。

弱味がない…つまりは、
非の打ち所がない、
“完璧”な人間なんか、
早々いないっつーの。



「? 優樹、なんか言ったか??」

「いや、別に、何も?」

「…………そっか!!」


「俺、次サボる」

「おぅ!!わかった」

「じゃあな」

俺は教室を出て、
屋上に向かった―…。