「翼、来たよ。優実じゃなくて優
樹に、話があるんだって」

「……あ? 翼?」

俺に用事があって来るなんて、
珍しいな…。

優実にはよく、
なんだかんだ適当に理由をつけて
会いに来てっけど。


「……よっ!!眠そうだな」

「ワリィけど翼。また夕方…は、
ダメか…。また今度にしてくれ。
……無理だ」

とにかく眠い。

ついでにダルい。


「おじゃましま〜す」

“無理だ”

はっきりと
そう言ったにも関わらず、

翼は勝手に靴を脱いで入り、
勝手に階段を登っていく。



………今日はまじで、
勘弁なんだけど。