絢佳の唇の端が赤く傷になっていた。

「絢佳…?」

顔を隠すかのように
絢佳は俺の胸に顔を埋める…。


そっと頭を撫でながら
尋ねてみたが
絢佳はピクリとも動かずに
話さなかった…。


「大丈夫だったのか?
何もされてない…か?」



されてなくて こんな傷が
出来るわけない…。
だけど、きっと言わないだろうな…



そう思ってたら
絢佳は小さな声で…呟いた。