お腹も空いてたから
とりあえず注文し
来るまでの間 ずっと絢佳の手を握っていた。
広くない店のカウンターに
座っている俺達。
長椅子だから絢佳にくっつき
横向きに座り絢佳の肩に
頭を乗せた。
絢佳の体がビクッとしたのが分かったが
俺は微動だにせずにいた。
「あの慎吾がねぇ~」
料理を持ってきた大輔さんが言った。
「それじゃ…食べれないだろっ。離れろ。彼女困ってるぞ…」
余計な事を…
と思いながら絢佳の顔をみると
真っ赤な顔で
瞳をウルウルさせていた。
やっべぇ…………。
その顔は誰にも見せたくねぇ…。

