「絢佳チャン…。あの時の慎吾と
今の慎吾は全然違うから…。
今の慎吾を信じてあげて欲しいな」

バイクを止めた天木クンは
わたしを降ろすと真剣な顔で
言ってきた…。

今の慎吾クン…
蘭さんの事を何も話してくれなかったのは
何もないからなの?
知られたくなかったからなの?

……わかんない…。

何も言えずにボーッと
地面を見つめてた。



「まぁ…蘭に何言われたかわからないけど
気にすんなっ!!」


頭をポンポンと叩くと
天木クンはまたバイクに股がり
手を振って見送ってくれた。



電車の中で
携帯を手に取ったら
レイと光汰…慎吾クンからの着信履歴…。


そっと電源を落として
流れる景色を ただ見ていた。