La Cherie 【最愛の人】


毎年 夏は合宿に行っている。
去年はまだ1年生だからって
誘われなかったんだよね…。


「絢佳~」

洗濯物を洗っていたら声をかけられた。

振り向くと、光汰が立ってる。


「なんだった?」

「いや…今 合宿に行くって聞こえたから…」

歯切れが悪そうに言う。

「ぅん!!どうせ暇してたから♪」


わたしは手を休まずに
光汰の方を見ずに言った。


「慎吾とは…あれから
連絡とれたのか…?」

「ううん。繋がらないし、
もう…今は考えたくないの…」


「そっか…」

光汰は顔を水道でジャブジャブ洗うと
その水をかけてきた。

「はっ!!冷たぁ~いww」


顔にかかった水…。
でも 光汰のかけた水なのか
わたしの涙なのか
わからなかった………。