「慎吾くん…。
絢佳ちゃんは…大丈夫?」


一也さんが言う。


「…気を失ってる。」

「そっか…。
あいつに聞いてみたら
やっぱり睡眠薬飲ませたみたいだ…。
…きつく 言っておいたから
絢佳ちゃんにはもう近づかないと思う。

なんか…
ごめんな。

あいつの行動は腹が経つけど
…いちおツレだから……」




ハンドルに凭れながら
一也さんが謝ってきた。

「もういいです…。
無事に絢佳に会えたし…。
連れて来てもらって
ありがとうございます…。」



天木が俺の頭に手を置いた。
光汰は絢佳の髪の毛を撫でていた。



二人とも…ありがとうな…



俺一人じゃ
絢佳を助けてやれなかったし
きっとあいつをボコボコにしてた。


まぁ〜天木のパンチも
俺並みに力強ぇから
あいつも痛かっただろうし。




「みんな… サンキューな…。」




絢佳の頭を撫でながら
聞こえるか聞こえない声で言った。