朱里は、俺に思いを告げて、去っていった。

俺はなんとなく、分かってた。

俺に対する、朱里の思い。

むしろ、気づかないほうがおかしいだろう。


でも、触れたくなかった。

俺は、今のままの関係がいいと思っていたから。


朱里と一緒にいるのは、嫌いじゃない。


だけど、

中途半端な気持ちで付き合っても、朱里を傷つけるだけだと思った。




俺は、ゆっくり寮に帰った。

寮に入ると、楓の話し声が聞こえた。


まぁ、電話のきりかけだったみたいだけどな。