「おいおい真吾くん」 放課後、部活が休みだった亮司は誰も居ない教室で話そうと声をかけてきた。 部活や、帰宅していくクラスメートを見送った後、ニヤニヤ顔で俺を見てくる。 言いたい事は分かってます。 「すまん 亮司!話に夢中になってて帰ってたの気付かなかった」 俺は亮司と紗江ちゃんをすっかり忘れて一ノ瀬に一直線になっていた事を謝った。 そもそも、ここまで一ノ瀬と仲良くなれたのは、全て亮司のおかげだ。 なのに、その恩人を蔑ろにしてしまった。 最悪な奴だよ、俺は。