鞄から取り出した小さなケチャップのボトルを見て、俺は興奮した。
「実は俺も持ってるんだ それ」
ポケットから取り出したマヨネーズのボトルを一ノ瀬に見せる。
「嘘!こういうの持ってる人 見たことなかったんだー」
なんだか、お揃いのアクセサリーみたいで嬉しかった。
思わぬ共通点に話が弾み、そのまま食事を終えても、俺たちはマヨラーとケチャラーについて、熱く語り合った。
「周りに居ないんだよな 理解してくれる奴」
「そうそう 紗江なんていつもドン引きしてるもん」
ケタケタ笑う一ノ瀬を見る度、心臓はバクバクと動くけど、どこか癒される俺がいた。
ずっと、こうやって話していたい。
昼休みが終わるチャイムを聞いた瞬間、俺は周りに誰も居ないことに気が付いた。
