隣には一ノ瀬が居るのに弾まない会話。 箸を持つ手が汗ばんでくる。 どうしたらいいんだよ、こんな時は。 女子と話をした事が無い俺は、亮司のように、軽いノリであんな風に話せない。 ましてや、好きな女子となら尚更だ。 段々カツ丼を食うペースが上がってくる。 今日はマヨネーズの味も感じない。 一ノ瀬は、一ノ瀬で黙々とケチャップの付いたサラダを食べている。 せめて、アドレスさえ聞けたらなぁ。 そう頭の中で過った瞬間、亮司はまた助け船を出した。