「・・・あの・・・・・」

断らなきゃ・・・


早く伝えて、蛍を追いかけなきゃ・・・


俺には蛍がー・・・

「・・・お、俺には・・・・蛍が・・・いるから・・・・・ごめん。」

「・・・・・・」

美夜が黙りこんだ。



「・・・ふふっ」

・・・美夜?


「何?本気にした?」

えっ・・・


「冗談に決まってるじゃん。この敦夢が誰かと付き合うなんて・・・蛍ちゃんだからでしょ?」

冗談?

「何よその顔〜。驚きすぎ!あ・・・大事な時なのに時間とってごめん・・・怒ってるの?」

「いや・・・そんなことは・・・・」

「ほら!早く行きなよ・・・蛍ちゃんの所。」

「あぁ・・・うん」

「・・・大好きなんだね、蛍ちゃんのこと。」

「えっ・・・」

「よし!いってらっしゃい、敦夢。」

「・・・おうっ!」


俺は走り出した。


なんだ・・・冗談だったのか・・・・


美夜って演技うまいなぁ。
中学の学祭の劇でも主役やってたし・・・。

・・・びっくりした、本当に。


美夜が俺のこと好きとかあり得ないだろ。

何が目的だったんだか・・・