「・・・何?」

「・・・えっと・・・・・」


美夜が俯いた。


「・・・敦夢にとって、蛍ちゃんはすごく・・・大切な存在なんだって、私もよくわかってる・・・・」

「うん・・・。」
何が言いたいんだ?


「ごめん・・・敦夢は今蛍ちゃんを追いかけたいのに、引き止めたりしてごめん。
でも私ー・・・」


美夜が顔をあげた。

その表情には
うっすら涙が浮かんでいた。


「・・・ー敦夢が好きなの・・・」


バイクの大きな音に書き消されて
ギリギリ聞こえるかくらいの声だった。



「美・・・夜・・・・」

どうしたらいい・・・?

いつもみたいに
キッパリふればいいんだけど・・・


相手が美夜じゃ
気まずい・・・


それに何より、
驚きのあまり声が出ない。