「…………おい、お前」
すっかり忘れてた。
振り返ると結構近くにいる男の顔を改めて見て驚いた。
格好はもちろん背はスラッと高いし筋肉が均等についていてモデル体型。
しかもだけじゃなくて、生まれてこのかた見たことないほど綺麗な顔立ちをしてる。
……でも、やばい、私不良らしき人叩いちゃったよ…。
それどころじゃない私は目を泳がせる。
そして目に入ったのは公園の時計。
「じ、時間っっ!!」
本当に危機迫る時間だったこともあって、その場から逃げるように走り出した。
………どうかあの人が私をスッキリ忘れてくれますように。
切なる願いを胸で唱えながら高校まで走りきった。
