「おい、泣き止めよ」


少しおろおろした不良らしき人の声が聞こえる。



なんだ、助けてる側なわけ。


柄にもない姿がミスマッチでもう少し見てたいけど、遅刻したらかわいそうだから手伝ってあげよう。




「どうしたの?」


胡桃に話しかけるようにしゃがんで話しかける。


すると、女の子は怪我して出血した足を指差した。



「あんた、まず気づいたなら消毒でしょ!」


男の頭をバシッと叩いて少女を水道までつれていく。


胡桃に接するように消毒して、最後にアメをあげると笑顔になっていた。



「ありがと!」


…やっぱり可愛い。


にっこりと微笑んで手を振るとどこかへ帰っていった。