スーパーで適当に千草が推してきたお菓子を買って家に帰ると雄介くんと手を繋いで歩く胡桃が目に入った。 「…っ…!」 どうしてもその後ろ姿を私と愁真を重ねてしまう。 千草の前なのに体が言うことを聞かない。 …どうしよ……。 少し硬直して背中から冷や汗が出る。 「好実ちゃん、あれは雄介くんと胡桃ちゃんだよ?」 事情を知っている千草が私を落ち着かせるように笑顔でそういった。 そうだよ。あれは私じゃなくて全く違った胡桃なんだ。 朝の出来事を思い出すと自然と足は進んだ。