「ねぇ。」
「あ?何だよ?」
「さっき、あんたが寝ぼけながら言ったこと、本当に覚えてないの?」
「あぁ。全く。何か変なことでも口走ったか?」
……一発殴ってやろうかと思ったけど、きっと鮮やかにかわされるだろうからやめておいた。
「まぁ、もしそうだとしても気にすんな。俺の寝起きが変なのは今に始まったことじゃないらしいし。昔、寝て起きたら、母さんに化粧させられて、趣味の悪いドレス着せられてたことがあったりした。」
……こいつが女装?
……思わず吹き出してしまった。
「……このバカ。」
また罵られたけど、性悪イケメンの顔は綻んでいた。
「ねぇ、その時の写真ないの?」
「写真?」
「見てみたい。」
「……誰が見せるか。」
なぁんだ。こいつ、思ってたより悪いやつじゃないのかもしれない。


