「あ、みんなが歩いてる……」





「この前の道はな、体育館に向かう近道なんだよ。だから、今なら助けが呼べる。」





俺はそう言うと、外を改めて見渡した。





「あ、ねぇ、慎哉!あれ、茜じゃない?」





「……本当だな。おーい、茜!」





「バカ、私が呼べば目立たないのに……」





七海の言葉に、しまったと思った瞬間にはもう遅かった。





その場にいた全員(特に女子)は俺たちの方に目線を合わせた。





「お兄ちゃん?それに七海ちゃんも。そんなところで何してるのー?」





茜は不思議そうな顔で、周りも気にせず大声で尋ねてくる。





「まぁ、こうなったら仕方ないよな。茜ー!閉じ込められてるんだ!助けに来てー!」






「あ……そうなの!分かったー!」





あいつ、何かニヤニヤしてたけど大丈夫か?