「まぁね。七海ちゃんかわいいし。それに、生徒会には他にもライバルがたくさんいそうだしね。お兄ちゃんの初恋がどうなるかに興味が湧かないわけないよ。」
俺はその言葉を聞いて、大きくため息をついた。
「……誰が好きだって言ったよ?」
「負け惜しみ言わないの。大体、何でもない子を嘘だとしても彼女になんかしないよね?」
俺は思わず口を噤んだ。これ以上何かを言葉にすればするほど、墓穴を掘ってしまうような気がした。
……それにしても、厄介だよなぁ、寝起きの人格が違うっていうの。俺は自覚症状がないからなぁ。
「まぁ、私は何も話したりしないから安心してね。それより、急がないと田島さんが待ってるよ。」
俺は茜の言葉を聞き流しながら、慣れた手つきでスーツに着替えた。
「田島なんか怒らせとけばいい。文句言ってきたらクビにしてやる。」
「はいはい。とりあえず、急いで。校門のところに田島さんがいるから。」
俺はそう言われると、企画書を持って部屋を出ようとした。


