「……素敵。」
決して店の中央に飾ってあるわけじゃない。
だから、きっとBlack Moonのお薦めってわけじゃないと思う。
でも、すごく素敵な春物の洋服が私の目にとまった。
「この洋服が気になるとは、七海さんもいいセンスしてますね。」
そんな声に後ろを振り向くと、佐野さんが立っていた。
「あ、いえ……でも、いいなと思っただけで、買えないですし……」
私はそう言いつつ、値札をちらっと見る。
「七海さんからお金なんか頂けませんよ。」
「いや、でも……」
「じゃあ……この洋服を気にいったと秀さんに言ってみてください。きっと、お金の話なんか一遍に吹っ飛んじゃいますよ。」
「あの、それってどういう……「あ~、ななちゃん!ここにいたんだ!ねぇ、見て!僕、この水着にしたんだぁ。ななちゃんと同じオレンジ色だよ?……って、あれ?」」
どういう意味かと聞こうとしたら、秀がやってきた。


