『若恋』若の嫉妬【完】




「コメディですけどね。りおに王女役を頼んだんですけど最初は断られました」

「…キスシーンあるって聞いたぞ」

「ホントにはやらないですよ。真似だけですよ」

はははって笑う。



「でも、俺はあわよくばホントにはキスできたらいいなって思って…」




「―――なんだと。」



「ウソです。しませんよ。りおは自分で気づいてないだけで大神さんのことが好きなんだと思います」



??


「一緒にいるとそんな気がして」



「俺はりおに傷をつけた男だぞ」

「そういうのはりおには関係ないんじゃないかなって思います」


「………」


樹と話していると俺よりりおをわかってるようで複雑な気持ちになる。


「自分に傷つけたからとか気にするヤツじゃないですよ」

「………」

「いつだって前向きなヤツだから」

「………」