だからって俺がずっとついていくのも不自然だろ?
気にはなっても、3人もいるのにいつものように護衛をつけるわけにもいかない。
「気になるだろ、行こうぜ」
「ドレスを選ぶんだってな。お姫様の着るようなやつ」
仁は俺の耳元で悪魔の囁きを落とす。
「ダブルデートみたいになっちまってランチはきっとふたりいい雰囲気になるぜ。いいのか」
「………」
「だろ、気になるだろ?」
ニヤッ
仁は普段大雑把なやつでこんなことを俺には言わないのだが、俺が内心穏やかじゃないのを悟って揺さぶりを掛ける。
「なあ、イトヨーで買い物していこうぜ」
「…買い物」
「そう、買い物」
買い物に託つけて俺に監視しに行こうと言ってるのだ。



