『若恋』若の嫉妬【完】




「うわあ、すっげえハマーだ」

「でかっ」


車好きなら一度は乗ってみたいとみんなが言う。



「イトヨーまで送る」

「うん」



俺が運転してもう一台のランドには仁と毅が乗り込む。


見たかぎりでは樹というヤツもりおを意識してるようではないようでホッとした。



「帰りも迎えにいくぞ。連絡をくれればいい」

「え、でも」



困ったようにりおが育子と名乗った女友達を見た。
気を遣ってるのがわかる。



「じゃあ、なんかあったら電話寄越せ」

「うん」

「じゃ、気をつけてな」

「うん」



軽く手を上げて4人を見送ると、仁と毅が近づいてきて仁が俺の隣に乗り込んだ。



「あんな簡単に行かせてもいいのか?」

「あ?」

「いいのかって言ってんだよ」

「買い物だけだろ。女もいるし大丈夫だろ?」

「ダブルデートみたいじゃねえか?いいのか?」

「………」

「気になるだろ?」

「………」