『若恋』若の嫉妬【完】




「溺愛してますね」

「…そんなことはないが」

「じゃあ、わたしがりおさんに手を出してもいいんですか?」

「!」



榊が探るように俺を見る。


「榊おまえ」



「冗談ですよ」



ふっ、榊が笑った。



「若をからかっただけです。以前の若ならば反応示さなかったでしょうから」


「からかったのか」


「それだけ若はりおさんに本気ってことですよ」


榊がグラスを揺らす。


榊がそう言って俺をからかったが、もし榊がりおに手を出すようなことがあれば、いくら榊でも許さない。



「榊にはホレた女のひとりやふたりいないのか?」