無機質な機械音。



ピンポーン―――




もう一度繰り返される音。




誰……?




あたしは、携帯のディスプレイを見た。




【その規約とは、




『彼氏を借りているときに退会しないで下さい』



です。】



で文は終わっている。




このチャイムは、死のお告げか。



あたし死ぬのか。


悠季君もいない、誰もいないこの家で、あたしは……



ピンポーン―――




あたしはゆっくりと玄関に歩み寄った。



玄関のドアに取り付けられた穴を見る。





宅配便だろうか?帽子をかぶっている。



そのせいで顔がよく見えない。



たぶん男だろう。