「プログラムを破壊すればいいんだよ!」
「どうやって!?」
悠季君が言っていることがわからなくってきた。
「僕が、壊す」
「え?」
「僕はもともと、そのサイトにプログラムされた機械だ。つまり、人間じゃない。要ちゃんが、そのサイトを退会すれば、僕はそのサイトのプログラムに入ることができる」
よくわからないが、
でも、
「退会って、したらもう悠季君には……」
「もう二度と会えない」
「そんなの嫌っ!!あたし、悠季君のこと好き!大好きなの!愛し―――」
「駄目だ!その先の言葉は、言っちゃ駄目だ。規約にあっただろう、【借りた彼氏を心から愛さないでください】って……。プログラムを破壊する前に、規約を破っちゃ意味ないだろう?」
悲しい笑みをする、悠季君。
愛することを許されない。
それなのに、
もう会えなくなる。
涙だけが、
あたしの頬を伝った。