電灯と月明かりだけで照らされた公園。

ブランコを漕ぐ音だけが、響いていた。





三人目の犠牲者。




波江。




あの後、玄関を開けたら、誰もいなかった。

部屋も何もなかったように、綺麗にされていた。



それが余計に不気味で、


家にいる気にはなれなかった。





公園の時計は、



深夜の5時を迎えようとしていた。






「要ちゃん……」


悠季君が、静かにあたしの名前を呼ぶ。





「あたし、波江を守れなかった……。ちゃんと、見ていれば……」



「自分を責めちゃ駄目だ。要ちゃんは、波江ちゃんのために、精一杯やった。考えることは、これからのことだ」



あたしの手を握り、


あたしの目をまっすぐに見て言った。




そうだ。


考えるのはこれからのこと。



解決方法だけだ。