「くっ……!」
バンッ
バンッ
バンッ―――
「開いたっ!!」
やっとの思いで開いたドア。
あたしは波江の腕を掴んで、出ようとしたときだった。
波江の彼氏が、波江の首を掴んでいる。
「波江っ!!」
「くそっ!!!」
悠季君が波江の彼氏に突っ掛ろうとしたとき。
ボンッ!!!!
なにものかの力で、
吹き飛ばされた。
あたしと悠季君は外に出されだた。
「波江っ!!!!」
「助けてっ!!!!!!」
泣き叫ぶ波江。
もう一度立って、家の中に入ろうとした瞬間。
バンッ―――
玄関のドアが閉ざされた。
ドンドン
「波江!!」
ドアを叩いても、返事は返ってこなかった。