悠季君とあたしは声が出なくなった。


携帯のディスプレイに出ている写真。



波江の死体―――



ディスプレイには、波江の死体の写真が写し出されていた。



他のメールも同じのだった。



宛先は、不明。


「いやああぁぁぁぁっ!!」



泣き叫ぶ波江。



「波江っ」



あたしは波江の肩を抱いた。



その時だった。



床に落ちた携帯が、音楽と一緒に震えだした。



電話……


誰も出ようとしない。


ずっと鳴りやまない着信音。



誰も出ない携帯は、やがて切れた。




ほっ、としたあたしたち。



その時。


今度はあたしの家の電話が鳴った。



「まさか……」


波江が呟く。


「そんなわけないよ。だってあたしの電話番号なんて知らないでしょ?」

そう言う自分も、不安を隠せなかった。



ガチャ―――


「もしもし?」

『……』

「もしもし??」