「ねぇ、波江何も覚えてないの?」


少し落ち着いた波江に尋ねた。


「うん……」


「そっか……」



沈黙が続いた。



その沈黙を破ったのは、


悠季君。




「波江ちゃんって、彼氏をレンタルするサイトを使ってたんだよね?」


「うん……」


「サイトの規約、破ったりしてない?」



そうかっ!


もしかしたら……


波江は悠季君が言っている意味をまだ理解していないみたいだった。


「これっ」


あたしは波江の顔の前に、


サイトの規約が映ったディスプレイを見せた。




それを読む波江。



「あっ」



「あった??」


「これ……」



波江が指した規約。



・1ヶ月以上彼氏を放っておかないでください