「……レ……イ……」
あまりにも小さい声なので、
近寄っても聞き取れない。
あたしは耳を澄ませた。
そのとき、
ハッキリと南の言っていることが聞こえた。
「モドレナイ、モドレナイ、モドレナイ、モドレナイ
モドレナイ、モドレナイ、モドレナイ、モドレナイ
モドレナイ、モドレナイ、モドレナイ、モドレナイ―――」
「南??」
「モドレナイ、モドレナイ」
「南ってば!!」
あたしは南の方を掴み、大きく揺さぶった。
「ねぇ!しっかりしてっ!!南っ!!!!」
「要ちゃん!」
悠季君が止めに入り、
おばさんもあたしを南から離した。
南は相変わらず外を見ていた。
「要ちゃん、今日はもう帰って」