「ここにも、いない―――」 悠季君が言いかけたときだった。 キー、キー…… ブランコの、軋む音。 あたしたちは、不思議とその音がするほうへ足が動いていた。 キー、キー…… 音だけで、 錆びているのがわかる。 ゆっくり、ブランコに乗っている人を見た。 「!?」 あたしと悠季君は一度立ち止まった。 「みな、み……??」 あたしは静かに呟いた。