それからあたしたちは南を探し回った。 人に聞いたり、 走り回った。 でも、 南は見つからなくて。 「諦めちゃだめだよ」 悠季君があたしの顔を見て、 優しく微笑んだ。 あたしはそれに、力強く頷いた。 南。 どこにいるの?? 心の中で、何度も。 河原 地下 繁華街 色々な所を探した。 だけど南はいない。 次にあたしたちが向かった場所は、 少し町外れの公園。