「最近、こんなのばっかりね」 少女は呆れたように、しかしその表情は無表情のまま呟く。 「それでも、何か望むものがあるからここに来たんでしょう?」 少女は自分が座っていたカウンターに黒猫を下ろしながら言った。 「望むものがなければ、この店には入れない」 少女が言うと、黒猫はまた「なああ」と掠れ声で鳴き、少女に擦り寄る。 「…」 少女が手のひらで頭をなでてやると、うれしそうに喉を鳴らす。 その様子を見て、少女は少し困ったような顔をした。