柴田篤の脳裏を駆け巡るのは、出会った頃の会話。 …そうだ、この弁当箱に詰められたハンカチも、なくしたハンカチも、俺が啓子に贈ったんだ…。 だとしたら。 今、この手にあるハンカチの意味は…。 柴田篤は、携帯電話をおろして呼び出しを切る。 もう、すべてが手遅れだと、柴田篤にはよくわかっていた…。