『お、淳!おはよ。』

学校に行けば、和也が元気良く話しかけてくる。

だけど淳は、それに応える気力無く、教室の席に腰を下ろした。

さすがの和也も、ここまで疲れた淳をバカにする事は出来ないでいた。

和也は淳の隣に腰を下ろし、


『おい淳、どうした?』

「…何でもねぇ。」

『今にも倒れそうな顔してさ…。』

「寝不足なんだ…。」

『…夢か?』

「…。」


返答は無かった。

淳は下を向いたままだ。


『…淳、お前あまり眠れてないのか?』

「いつも決まって5時前後に目が覚めるんだ…。起きると汗が滝のようで…息は切れてて…もう怖くて眠れなくなる。」

『…毎晩、同じ夢を見るのか?』


淳は黙って頷いた。

和也はそれ以上、
どう声かけて良いのか分からなくなった。