私は死に場所を探し求め、北へ北へと移動しながら彷徨っていた。

人は誰かに追われ逃げる時、関東方面の人間は北へ、関西方面の人間は南へ逃げると聞いたコトがある。

何故人は、心理的にそう行動してしまうのかは私には分からない。

北に何があるのか?
南に何があるのか?
それさえも分からないまま、人は生きるが為に生きるのだろうか…


それなのに私は、死に場所を探す為に北へ北へと移動している。


死ぬコトも、一種の逃げなのだろう。
だから私は、逃げ惑う人の様に北へと移動してるのではないか。

『私は違う。私はただ、北日本への思い入れが強いだけ。だから、死に場所に北日本を選び、私の最後の地を探しているだけ』

いくら言い訳をしても、たぶん誰にも伝わらない。

死んでいくモノは、皆一緒なのだ。